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Kiyoshi|英語系ブロガー

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BTSの『Dynamite』の歌詞をプロが徹底解説!【和訳】

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今回は大ヒットしてるBTSの「Dynamite」を解説します!

今や世界的な大スターとなったBTS。全編英語で歌われた「Dynamite」は、Billboard Hot Chartで韓国人アーティスト初となる1位を獲得。

また「エレンの部屋」や「Carpool Karaoke」など、数々のアメリカのテレビ番組にも出演していて、本当に人気に拍車をかけていますよね。今後ますますファンを増やしていきそうです。

今回はそんな彼らが歌う「Dynamite」の和訳・解説をします。

タイトル「Dynamite」に込められた意味は?

そもそも何で「ダイナマイト」なんだにゃ?

「ダイナマイト」はご存知の通り爆弾ですよね。「ドーン!」と大きな音で爆発する起爆剤。作詞家の人はそれでピン!ときたそうです。

この曲を作詞した David Stewart と Jessica Agombar はこの曲を「なにか"爆発的"な影響を与えるものにしたい」という気持ちがあったとのこと。

「エネルギッシュで、楽しくて、希望に満ちて、ポジティブになれる、エネルギーの塊…」→「ダイナマイト」という感じで制作されたそう。

コロナで大変な時代だけど、世界中を希望で包み込むという意味で「Dynamite」と命名されました。

どんな曲?

先ほど述べた通り、この曲には「コロナで大変な時代だけど、この曲を聴いてみんな元気になってほしい」というメッセージが込められています。

そして大変な時代だからこそ、Joy(楽しむこと)と、Appreciation(感謝)を忘れないでほしいとも伝えています。

例えば、ジョングクの歌うパートには、「朝起きて、靴を履いて、ミルクを飲んで、1日を始めよう!」という歌詞があります。

ここは「普段の何気ない生活だけど、僕はそれを全力で楽しみたい」という「意気込み」と、そんな生活を送ることができることに対する「感謝」が伝わってくるパートです。

今の時代に大切なことを教えてくれる曲ですね。

日本語訳・解説

■Dynamite / BTS (방탄소년단) アルバム『BE』に収録
■日本語訳:Kiyoshi

youtu.be

stars, fire, night.. ポエムのようなイントロ

[Intro]
'Cause I, I, I'm in the stars tonight
So watch me bring the fire and set the night alight

今夜、僕は夜空に浮かぶ星の中にいるから
見ててね、火花でこの夜を明るく照らすよ

」や「」という言葉が使われており、まるでポエムのようなイントロですね。

set alight で「~に点火する」という意味。fire を持ってきて、夜に火をつけようとあるので、「この夜を明るく照らす」→「この夜を盛り上げよう」という意味になります。

この夜を僕が盛り上げるから、みんな楽しんでね」と、ポジティブな気持ちにさせてくれる歌詞です。

King Kong, Rolling Stone.. オマージュ満載

[Verse 1]
Shoes on, get up in the morn'
Cup of milk, let's rock and roll
King Kong, kick the drum
Rolling on like a Rolling Stone

朝起きたら靴を履いて、ベッドから出る
ミルクを飲んで、1日を始めよう
キングコングみたいにドラムを叩く
転がる石ころのごとく、スムーズに

morn' は morning の短縮形です。

ここは、靴を履いてミルクを飲んで、「これから楽しい時間を過ごす準備」をしている様子が伝わってくるパートです。

加えて色んな固有名詞が出てきていますね。「キングコング」は、アメリカ軍をも制圧することのできる力を持つ伝説のモンスター。

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そして「Rolling Stone」は「転がる石には苔が生えぬ」ということわざと、伝説のロックバンドのことを指しています。

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それぞれオマージュとして歌詞に取り入れることで、クールな雰囲気を醸し出しています。このような「具体的な固有名詞」は、視聴者に状況をパッと浮かび上がらせるので、洋楽では好まれて使われることが多いです。

LeBron, ping pong.. 若者が遊んでるパート

Sing song when I'm walkin' home
Jump up to the top, LeBron
Ding-dong, call me on my phone
Ice tea and a game of ping pong

帰り際、歌を歌って
レブロンみたい空高くジャンプするんだ
友達から電話がかかってきて
アイスティーを片手に、卓球の試合開始!

若者がひたすら遊んでいる様子が伝わってくるパートです(笑)

歌を歌いながら帰る途中、バスケをやり始めたのかな?と思ったら、友達から連絡がきて、アイスティーを持って今度はピンポンをやりに行きました。予定がコロコロ変わる、若者らしいパートです。

ちなみにLeBronアメリカのプロバスケ選手↓

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heavy → sweet で Double Meaning

[Pre-Chorus]
This is gettin' heavy, can you hear the bass boom? I'm ready (Woo-hoo)
Life is sweet as honey, yeah, this beat cha-ching like money, huh

段々大きくなるベースの音が聞こえる? 僕はもう準備オッケー
人生は蜂蜜みたいに甘いね、このビートは高々と鳴り響く

This is gettin' heavy ですが、これは「音量がヘビーに(大きく)なる」という意味です。このパートから重みのあるビートが追加されて、盛り上がり始めてますもんね。

またこの箇所は「(コロナで)状況が段々とヘビーに(大変に)なってきている」という解釈もできます。そう解釈すると、そのあとの「それでも人生はスイート(イケてる)よ」にもすんなりと繋がります。Double Meaning です。

cha-ching はレジでお金が出てくるときに使われる効果音です。

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glow up は grow up から派生したスラング

Disco overload, I'm into that, I'm good to go
I'm diamond, you know I glow up
Hey, so let's go

人で溢れるディスコ、もう病みつき、いつでも行けるぜ
僕はダイアモンド、何度だって生まれ変わるよ
さあ、レッツゴー!

overload は「過多状態」を意味する言葉。例えば information overload は「情報過多」という意味です。ここでは Disco が過多状態なので、きっと多くの人でごった返しているのでしょう。

into ~ で「~にハマっている」という意味になります。ここでは前後の文脈にうまくつながるように「いい感じ」と訳しました。

glow up は「grow up」をもじったスラングです。grow up が「年を取って成長すること」を意味するのに対し、glow up は「見た目があか抜けて綺麗に/かっこよくなること」を意味します。

dynamite と diamond の深い関係

[Chorus]
'Cause I, I, I'm in the stars tonight
So watch me bring the fire and set the night alight (Hey)
Shinin' through the city with a little funk and soul
So I'ma light it up like dynamite, woah-oh-oh

今夜、僕は夜空に浮かぶ星の中にいるから
見ててね、火花でこの夜を明るく照らすから
ファンクとソウルのリズムで街中を煌めかせて
そしてダイナマイトが弾けるように、光を灯すよ

タイトルにもなっている dynamite ですが、先に出てきた diamond と深い関係があると言われています。

ダイアモンド は土の奥深くに眠っている宝石。ダイナマイトのような爆弾でも使わない限り、取り出すことができません。

つまり「自分自身をダイナマイトで壊し、変革してはじめて、自分の中にあるダイヤモンドのような輝きを手に入れることができる」という深い意味が込められていると言われています。

この意味を知ってこの曲が一層好きになりました。深い!!

off the wall は crazy とほぼ同義

[Verse 2]
Bring a friend, join the crowd, whoever wanna come along
Word up, talk the talk, just move like we off the wall

友達を連れてこっちに来なよ、遊びたい人は誰でもウェルカム
そうそう、口だけでもいいから楽しんで、狂ったように踊ろう

まさにパリピが言いそうなセリフだけを歌詞にしたパート(笑)友達を誘って、話して、踊って、楽しい時間を過ごしている感じが伝わってきますね。

off the wall は本来「風変わりな」という意味ですが、ここでは「狂ったように、クレイジーに」という意味で使われており、「周りから変人だと思われてもいいからひたすら踊れ!」というニュアンスです。

medicine に込められた深い意味

Day or night, the sky's alight, so we dance to the break of dawn (Hey)
Ladies and gentlemen, I got the medicine so you should keep ya eyes on the ball
昼夜を問わず空は眩しいから、このまま夜明けまで踊ろう
「紳士淑女の皆様、悩みは僕が解決するので楽しむことだけに集中してください」

medicine は「薬、治療薬」という意味。ここでは「悩みを解決する薬」という意味で使われています。

ball は「スポーツのボール」ともう一つ、「(大規模な)ダンスパーティー」という意味があります。

ここは「悩みは僕に任せて、みんははボールだけに目を向けて(→スポーツやダンスなど、今やっていることに集中して!)」という意味。

つまり「悩んでる人、気分が落ち込んでる人もいるだろうけど、その悩みは僕が引き受ける。だからみんなは楽しむこと、自分のやりたいことだけに集中していて!」とメッセージを送っています。

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このセリフが多くの人の心を動かし、そして大ヒットをおさめた要因の一つではないでしょうか。

↓以下の歌詞は繰り返しとなります。

[Pre-Chorus]

[Chorus]

[Post-Chorus]
Dyn-na-na-na, na-na-na-na-na, na-na-na, life is dynamite
Dyn-na-na-na, na-na-na-na-na, na-na-na, life is dynamite
Shinin' through the city with a little funk and soul
So I'ma light it up like dynamite, woah-oh-oh

[Bridge]
Dyn-na-na-na, na-na, na-na, ayy
Dyn-na-na-na, na-na, na-na, ayy
Dyn-na-na-na, na-na, na-na, ayy
Light it up like dynamite
Dyn-na-na-na, na-na, na-na, ayy
Dyn-na-na-na, na-na, na-na, ayy
Dyn-na-na-na, na-na, na-na, ayy
Light it up like dynamite

[Chorus]

[Post-Chorus]
Dyn-na-na-na, na-na-na-na-na, na-na-na, life is dynamite (Life is dynamite)
Dyn-na-na-na, na-na-na-na-na, na-na-na, life is dynamite (Oh)
Shinin' through the city with a little funk and soul
So I'ma light it up like dynamite, woah-oh-oh

おわりに

翻訳しながら、この曲の情報を調べるうちに、この曲に秘められた思いやメッセージを知ることができて、ますますこの曲が好きになりました。

今の時代を明るく元気にしてくれる曲ですよね。スラングや比喩表現も多用しているので、かなり本格的な歌詞です。

「ここはこういう意味だと思う!」などの意見があればぜひ教えてほしいです!

コロナで大変なことも多いけど、そんな時はこの曲を聴いて、気分を盛り上げましょう^^