Hey guys! 今回は再び Netflixドラマ『13の理由』について執筆します。
13の理由と言えば、数年前に社会現象まで巻き起こした、ある女子高生の自殺をテーマにした学園ドラマです。
今年6月にファイナルシーズンが配信され、現時点ではシーズン完結済みです。今回はこの作品に込められた思いや、伝えたかったメッセージなどをダイジェストでご紹介します。
以前に『13の理由』の魅力を伝えた記事も合わせてご覧ください。
あらすじ
シーズンごとのあらすじをダイジェストでご紹介します。
Season 1
女子高生のハンナが自殺したという衝撃的な内容から始まる。ハンナに片思いしていた同級生のクレイが、真相を掴むべく奮闘する姿が描かれている。
Season 2
ハンナの自殺をめぐる裁判の様子が描かれている。シーズン1では語られなかった新たな真相が、裁判を皮切りに明るみになっていく。
Season 3
ハンナの事件がひと段落した後、別の生徒・ブライスが殺害されるという事件が起きる。ブライスを憎む生徒は数多くいたため、多くの生徒が容疑者となる。エピソードを追うごとに、誰がブライスを殺したかの真相が次第に明かされていく。
Season 4(Final Season)
全シーズンの総まとめ編。精神障害を抱えるクレイが壊れてしまったり、ブライスの事件の真相に異議を唱える生徒・ウィンストンが転校してきたり、女性が好きだったアレックスが男性に興味を持ち始めるなど(胸キュンします)、全シーズンの中でも想像を覆すような展開が数多い。
お気に入りのシーンから引用
ハンナの死を嘆くクレイの言葉
Hannah Baker came into my life at the end of one summer like a star that fell to Earth.
ある夏の終わり、ハンナ・ベーカーはまるで地上に隕石が落ちてくるかのように僕の人生に現れた。Like nothing I had seen, like no one I had ever met.
今まで見たことも、会ったこともないような人だった。She was funny, and smart, and moody, and... and maddening, and beautiful...
彼女は面白くて、賢くて、気分屋で、イラっとすることもあったけど、綺麗で…And... I loved her. I loved her so much.
僕はそんなハンナが好きだった。本当に好きだった。
ハンナの葬式で、クレイがハンナの親族と学校のみんなの前で言った言葉です。
シーズン2ではハンナはクレイの"空想上"で登場し続けているので、あまり亡くなったという実感が湧きませんが、この葬式のシーンでは、ハンナの遺影が飾られており、それに語り掛けるように、ハンナの家族、友人たちがハンナの死を悼み、悲しむ様子が描かれています。
このシーンでハンナを失った喪失感が一気に視聴者に襲いかかります。
このクレイの言葉には、クレイにとってハンナがどれだけ大切な存在だったか、そしてその大切な人を失ってしまった居たたまれなさと怒りの念が込められています。
でもクレイは以下のように続けます。
「ハンナ、愛してる。そしてお別れだ。」
A good friend once said to me, "I can love you and still let you go."
昔、大切な友達がこう言ってくれた。「離れても、あなたをずっと愛し続けるよ」So, Hannah, I love you, and I let you go.
だからハンナ、愛してる。そしてお別れだ。And I miss you.
寂しくなる。And I hope that wherever you go next, you feel peace, you feel safe in a way that you never did here.
次に辿り着くところは、ここでは味わうことのできなかった安心と平安を感じることができますように。Wherever you go next, I hope you know that I love you.
どこに行っても、覚えていて、「僕は君を愛してる」って。
クレイはハンナのことを本当に愛していました。愛しているこそ、ハンナの死を受け入れ、別れを告げ、そして前に進もうとします。
普通、愛する人を失くすと、生活が一変してしまうくらい嘆き、悲しみに明け暮れるのが一般的でしょう。
ですがクレイは、ハンナを愛しているからこそ、ハンナの死と真正面から向き合い、そして最終的にハンナの死を乗り越えていきます。
この葬式の後日談を描いたシーズン3では、基本的にハンナは登場しません。このことからもクレイが後ろを振り返ることなく、一生懸命に前へ進もうとしている姿が描かれています。
高校生という若さここまで強く、そして愛に溢れた選択をできる人間が存在するでしょうか。クレイの行動は周りの人の心を動かします。
ハンナの母・オリビアも、ハンナの死後、ハンナの墓の前で泣き続ける時期もありましたが、このクレイの姿、そして彼の言葉に勇気を貰い、ハンナが生前に抱いていた「ニューヨークに住む」という夢を、ハンナの代わりに成し遂げようと決断し、前に進んでいきます。
大切な人の死は、つらく、悲しく、どう乗り越えるべきかの正解を見つけるのは至難の業です。
ですがこの物語は、「人の人生は長さで決まるのではない。その人がどう生きたかで決まる。だから残された人は、その人との思い出、その人が遺した言葉を大切にして、前向きに生きていこう。」というメッセージを送っています。
この葬式のシーンのラストでは、クレイの言葉を聞いたハンナが、クレイに微笑みかけ、そして扉を開け、旅立っていく描写があります。これ以降、このこのクレイの「空想上のハンナ」は登場しません。
クレイも覚悟を決めて、ハンナとお別れし、前に進んだのですね。
おわりに
大切な人を失った悲しさは、自分の身体の一部を失ってしまうくらい、もしくはそれ以上の悲しさに匹敵します。
現在悲しみに暮れている方、どう乗り越えていいか分からない方も多いかもしれません。
「悲しみに明け暮れる」というのも正解ですが、前向きになりたい方、乗り越えるための糸口を見つけたい方は、ぜひ『13の理由』を見てみて下さい。
きっと何かヒントを見つけられるはずです。
See you next time!