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Kiyoshi|英語系ブロガー

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【和訳】Taylor Swift『You Need to Calm Down』テイラーの不屈の精神

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今回はテイラースウィフト”You Need to Calm Down”について紹介します。

この曲はアンチからの誹謗中傷に悩む方にぜひ聞いてほしい楽曲です。

近年、ネットによる誹謗中傷が社会的な大問題となっております。

ネットは匿名でコメントが書けるため、誰でも簡単に悪口を書けるという性質があります。テイラーも長年、そんなネットの誹謗中傷に悩まされてきました。そこでテイラーが書いたのがこの”You Need to Calm Down”。

アンチなんかに屈しないぞ」という、テイラーらしいメッセージ性の強い曲です。
今回はこの曲の和訳・解説をしていきます。

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目次

 

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どんな曲??

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ジャケット写真

アンチに向けたメッセージが練りこまれた楽曲

"You Need to Calm Down"はテイラーの7枚目のアルバム"Lover"に収録された曲です。
タイトルを直訳すると「落ち着いてくれるかな」という意味ですが、誰に対して言っているのでしょうか?

実はこの曲、冒頭でもお伝えした通り、ネットを通してテイラーを誹謗・中傷してくる人に向けた曲なのです。

テイラーのようなトップアーティストともとなると、ファンが増える一方で、悪意を持ったアンチも生まれてきます。

そんな中でも今回はネットを通して攻撃してくる人を対象に「落ち着いて」とメッセージを送っています。

こういった中傷をする人のことを少し専門的な言葉だとDetractor(誹謗・中傷する人)、ネット上のアンチはTroll(荒らし)、もっと一般的な言葉だとHater(アンチ全般)と言います。

自分を肯定することの大切さを教えてくれる歌詞

"You need to calm down"とは日本語で訳すとしたら、「落ち着いてみて」というような冷静に話しかけているニュアンスです。

例えばテストを前日に控え、動揺、もしくはパニックになっている人に向けて"You need to calm down. Take it easy."(落ち着いて、気軽に行こうよ。)というような文脈で登場します。

テイラーはこの「落ち着いて」という表現を使いながら、アンチに屈しない姿勢をアピールしています。

テイラーが最も主張したいことは、「アンチに屈せず、自分自身を肯定することを大切する」という、そういった自己愛を大切にした曲です。

LGBTQコミュニティを擁護する曲

曲の2番目は、LGBTQコミュニティを支持する歌詞となっています。

LGBTQとは(レズビアン・ゲイ・バイセクシャルトランスジェンダークィア or クエスチョニング)の頭文字を取った略称で、性的マイノリティの人たちを示す言葉です。

テイラーはこれまでLGBTQの人たちをサポートするために献身的な活動をしてきました。

MVにもマイノリティの人たちの象徴であるレインボーフラッグや、ゲイのカップルの結婚式が描かれたりしています。

しかし、そのLGBTQの人たちに対して「同性愛は罪だ!」というプレートを掲げ、抗議・反対運動をしている軍団も登場します。

この声を荒げている人たちに向けて、「落ち着こうよ」語りかけることで、マイノリティの人たちを擁護している楽曲となっています。

総勢29名のセレブが登場するMVが話題に

MVですが、非常に多くのセレブリティが登場しており、その数合計でなんと29名。
中でも上記のLGBTQであることを公表している俳優・アーティスト・タレント・アスリート・ドラッグクイーンが数多く登場しています。

またMVの終盤では、長年テイラーと険悪な仲であったことで知られているケイティ・ペリーが現れ、衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。

DMM FXは初心者向け

日本語訳

[Verse 1]
You are somebody that I don't know
But you're takin' shots at me like it's Patrón
And I'm just like, damn, it's 7 AM
Say it in the street, that's a knock-out
But you say it in a Tweet, that's a cop-out

And I'm just like, "Hey, are you okay?"

あなたと私は赤の他人
なのに私のことをものすごく批判してくるわね
ちょっと待って、まだ朝の7時よ?
堂々と人前で言ったら? それが「攻撃」
でもあなたはツイートでしか言わない、それは「責任逃れ」
こう言いたいわ、「ねぇ、どうしちゃったの?」

[Pre-Chorus]
And I ain't tryna mess with your self-expression
But I've learned a lesson that stressin' and obsessin' 'bout somebody else is no fun
And snakes and stones never broke my bones

あなたの表現の自由を侵害するつもりはないの
でも私、学んだのよ 他人のことでストレスを感じたり、
頭がいっぱいになってしまうのは楽しくないってね
そして結局、ヘビ呼ばわりされても、石を投げられても、私は挫けなかった

[Chorus]
So oh-oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh
You need to calm down, you're being too loud
And I'm just like oh-oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh, oh-oh (Oh)
You need to just stop, like can you just not step on my (his, our) gown?
You need to calm down

だから、ねえ、あのさ、マジで
落ち着いたらどう? 騒ぎすぎよ
本当に、悪いけど、ああ、もう!
やめてくれる? ていうか、私の(彼の、私たちの)ドレスを踏まないでくれる?
落ち着いてくれるかな

[Verse 2]
You are somebody that we don't know
But you're comin' at my friends like a missile
Why are you mad when you could be GLAAD? (You could be GLAAD)
Sunshine on the street at the parade
But you would rather be in the dark ages
Makin' that sign must've taken all night

あなたは私たちにとって赤の他人
でも私の友達をミサイルのごとく追撃してくる
なんでそんなに怒ってるの?もっと笑えばいいのに
太陽の輝くパレード
でもあなたは暗黒時代に身を置きたいのね
一晩中かけて、そんなプレートを作ってるんだから

[Pre-Chorus]
You just need to take several seats and then try to restore the peace
And control your urges to scream about all the people you hate
'Cause shade never made anybody less gay

とりあえず、一度黙って、平和な世の中を作り出す努力をしてほしい
あと、自分の嫌いな人に声を荒げたい衝動を抑えてほしい
だって悪口を言ったところで、ゲイの人は変わらないよ

[Chorus]

[Bridge]
And we see you over there on the internet
Comparing all the girls who are killing it
But we figured you out
We all know now we all got crowns
You need to calm down

あなたときたら、またネット上で
どの女が一番イケてるか比べてるけど
あなたのことなんてお見通しよ
私たちはもう気付いてる「みんなそれぞれ、王冠を手にしてる」ってこと
だから一回落ち着いてよ

 

[Chorus]

解説

Take Shots と Patrón の意味

Take ShotsにはDouble Meaningがあります。

  1. ショットを飲むこと
  2. 狙い撃ちするから転じて、攻撃する、侮辱する

Patrónという単語もDoubleの意味で使っているのではないかと考えています。

  1. テキーラの一種で、テイラーの生まれ年である1989年に発売されたお酒の名前
  2. スペイン語で「パターン」の意味

つまり、

  1. 「よく知らない人が私の目の前でテキーラのショットを飲みまくってる」
  2. 知り合いでもない人が、パターン化した攻撃をしかけてくる

という、言葉遊びをしている歌詞となります。

Knock-out と Cop-out

日本語でもノックアウトと言えば「強烈な打撃」というような意味ですよね。
次に出てくる”Cop-out”とはどういう意味でしょうか。
Copとは米スラングで「警察」の意味です。”Cop out”とはCop(警察)をOut(除外する)
という意味から転じて、「責任回避をする」というイディオムとして使われています。

ここは、人前では何も言わずに、
Twitterの中でしか攻撃してこないアンチを非難している歌詞となります。

Snakesはテイラーの宿敵「あの夫婦」との過去を・Stonesはあることわざを表す

Snakeとは蛇の意味ですが、英語では「嘘つき」という意味が含まれています。
このSnakeとは何のことを言っているのかというと、
テイラーのEnemy(宿敵)であるカニエ・ウェストとその妻キム・カーダシアンによって、
ヘビ女」と呼ばれるようになってしまった事件のことを示しています。

事件の経緯を簡単に説明すると、
発端はカニエ・ウェストが以前出した"Famous"という曲の中に、
テイラーに対する悪口の歌詞が含まれていたことがきっかけです。

怒ったテイラーは抗議しますが、
そこで登場するのがカニエ・ウェストの妻であるキム・カーダシアン。
彼女は、ある動画をSNSにアップし、テイラーを嘘つき呼ばわりします。
その動画の内容は、テイラーとカニエが電話で話しながら、
テイラーが冗談交じりにカニエの悪口の歌詞を了承しているような様子が
伺えるようなものなっていました。
この動画を利用して「テイラーは自ら了承した」と世間に知らしめ、
加えてTwitterでテイラーのことを「ヘビ」呼ばわりします。

I wrote an AOTY analysis for reputation for /r/popheads. Come ...

ちょっと待って、今日って「ヘビの日」なの?!最近は誰に対しても、いや、どんなものに対しても記念日があるのね!

このようにして、テイラーがヘビ(嘘つき)女と呼ばれるようになってしまう事件が
起こってしまいました。
テイラーの6枚目のアルバム"Reputaion"に収録されている”Look What You Made Me Do"という曲は、このヘビ女事件と、
ケイティ・ペリーとの長年の確執(英語だとFeud)を歌っている内容となります。

以上が歌詞に登場しているSnakeの説明となります。


Stonesは下記の英語のことわざから引用していると考えています。

Sticks and stones may break my bones,
but words will never hurt me.

棒や石によって傷つくことはあるかもしれないが、
言葉によって傷つけられることは決してない。
(親が子供に対してよく使い、「人の悪口を気にするな」という意。)

ここでテイラーが伝えたいのは、「ヘビ女事件」も、棒や石を投げられても、
テイラーは決して挫けなかったということです。

つまりアンチの人に対し、「たとえ中傷を続けても、人を傷つけること、
陥れることはできない」ということを強調しています。

GLAADって何??

"Gay & Lesbian Alliance Against Defamation"(「中傷と闘うゲイ&レズビアン同盟」)
というアメリカ国内の非政府組織です。

ここではBe glad(喜べ)と、Be GLAAD(GLAADに加盟すればいいのに)
という意味のDouble Meaningです。

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GLAADの活動の様子

 テイラーの伝えたいメッセージ / 私たちはみんな王冠を手にしている!

"We all got crowns" は「私たちはみんな王冠(素晴らしい面)を持っている
という意味です。ここではネット上で比較されている女性のフォローとして
言っていますが、実はここがこの曲で一番のテイラーの伝えたいメッセージと私は考えています。
批判を受けている人も、批判をしている人も、LGBTQの人も、
ストレートの人も、同性愛嫌悪の人も、イケてる人も、イケてない人も、
みんな既に素晴らしい面を持っているんです。

だから、一度落ち着いて、自分の行動や言動について考えてみることの重要性
をテイラーは主張しています。

英語表現

Are you okay? / あなた大丈夫?

"Are you okay?" は単純に「あなた大丈夫?」という意味ですが、
文脈や表情によってニュアンスが少し変わってきます。

例えば風邪をひいている人に対して心配そうな表情で "Are you okay?" と言えば、
「体調大丈夫?」というニュアンスになりますが、
もし何か大きなミスをした人がいて、その人に対して眉をしかめて、
小バカにするような表情で "Are you okay?" と言ってしまうと、
「頭大丈夫?」という意味にも取られ、ものすごく失礼なニュアンスになってしまいます。
日本語でも不信感満載な表情で「大丈夫?」というとかなり失礼ですよね。

ここではテイラーは、責任逃れのためにネットで攻撃してくるアンチに対して、
ほんの少し怪訝な感じで "Are you okay?"(どうしちゃったの?) と言っています。

Ain't / am not の短縮

"Ain't" は基本的に「am not」「is not」「are not」「have not」「has not」
の短縮形として用いられます。
この "Ain't" という表現はほんの少し下品な響きがあるため、
日常会話で使われることは少ないかと思います。
しかし、アメリカの一部地域、例えば南部の人たちは日常的に使われています。
カウボーイ映画でこの表現を聞いた方も多いではないでしょうか。

会話ではなかなか使わないものの、アーティストは自分の語彙力・表現力を示すため、また曲のリズムに当てはめるために使うことが多いです。

Dark age / 暗黒時代

"dark age" は日本語で「暗黒時代」という意味です。
Wikipediaによると「暗黒時代とは、歴史上のある一定期間、
戦乱、疫病、政情不安定などの原因により、
社会が乱れ文化の発展が著しく停滞したような時代を指す」とあります。
つまり社会が乱れている時代ということですね。

ここでは太陽の輝く楽しく明るいパレードと対比されて、
この暗黒時代という言葉が用いられています。
「こんなに明るい時代なのに、アンチの人たちはどうして暗い時代を作り出そうとしているの?
もっとハッピーになろうよ!」というテイラーのメッセージが伝わってきます。

Shade / 悪口

"shade" は本来「陰、日陰」という意味ですが、
そこから転じて「陰口、悪口」という意味で使われるようになりました。
ちなみに "shady" という形容詞になると、「怪しい、胡散臭い」といった意味になります。

Kill it / キメる

"kill it" とはスラング「キメる、ばっちりこなす」という意味があります。
似た表現で "nail it" という表現もありますね。
ここでは"girls who are killing it" とあるので、「イケてる女」と訳しました。

おわりに

さて、いかがでしょうか。テイラーらしい、メッセージ性の強い楽曲ですね。
「自分自身を肯定することの大切さ。」

これまで数々の試練や困難を乗り越えてきたテイラーだからこそ
唱えることのできる力強いメッセージではないでしょうか。
またLGBTQ支援に関しては、LGBTQのファンが非常に多いテイラーならではの、
「平和な社会を作り出したい」というパッションがうかがえる曲です。

加えて、この曲は本当に超豪華なセレブが多数登場するMVのインパクトが非常に大きく、
私も何回も繰り返し観ています。
個人的にはNetflixの人気リアリティー番組"Queer Eye"に登場する、
"Fab 5"がテイラーと一緒にテーブルを囲んでティータイムを楽しんでいるシーンがとても好きです。
これだけ多くのセレブと共演したテイラーの影響力に圧倒されました。

この記事を読んで、役に立った、面白かったと思っていただけましたら、お気に入りやコメントを頂けましたら幸いです^^

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